所得(経済的利益)について図解してみた
連日、仮想通貨仮想通貨とタイトルに入っていて見苦しかったので少しタイトルを変えてみました。
さて、仮想通貨をトレードして得た利益については雑所得となり、課税の対象となるのですが、もしかすると一般の人には「所得」という言葉がどういうものなのかよくわからない人もいるかもしれません。
そこで今回は仮想通貨をベースとして、軽く「所得」というものが何か、ということを簡単に図にしてみました。
所得とは何か?
数式で見る所得
(仮想通貨の売買における)所得とは、売却価額(時価)から取得価額(簿価)を引いたものになります。
仮想通貨が売買(トレード)されると、もともとの取得価額から売却価額へと情報が更新されることになります。それによって、利益又は損失の額が確定することになります。
ホールドしたまま売らないでいる場合には、その時々の時価との差額は増えたり減ったりするわけですが、その状態で"確定していない"利益や損失のことは「含み益」又は「含み損」といいます。英語でいうとUnrealized Gain又はUnrealized Losses、未実現の利益、未実現の損失という言葉でも言い換えることができます。
買ったままずっとホールド(いわゆるガチホ)していると、含み益がドンドン膨らむことがありますが、その状態だと一切所得としては換算されません。なぜなら「実現」していないからですね。「含み益は幻」ということを少し難しく考えるとそういうことになります。
取得価額 < 売却価額(高く売れた場合)
売却価額が取得価額を上回った場合は、その差額分の利益が確定することになります。プラスの所得とか言ったりします。
取得価額 > 売却価額(安く売ってしまった場合)
逆に、売却価額が取得価額を下回った場合は、その差額分の損失が確定することになります。マイナスの所得とか、所得がマイナスになるという表現を使ったりします。
図で見る所得
先ほどは数式でしたが、数式を図にしたものがこちらです。
取得価額の上に所得が乗っているイメージですね。元々の土台は所得としてはカウントされません。
ただ数式を図に変えただけですが、これだけでもだいぶ理解しやすくなったのではないでしょうか?
所得税法においては、この所得の部分が大きくなればなるほど税率が上がる「累進税率」という仕組みを採用しています。最大55%とかよく言われているものですね。
数字を当てはめてみると
数字を当てはめてみました。だから何だという感じもありますが、所得の計算とはこの三要素の積み重ねである、ということが頭の中にイメージできていればだいぶ所得という概念についても理解が進むのではないかなと思います。
年収という言葉からは所得という言葉を連想することが難しいので、多分一般の人で所得という言葉を正しく説明できる人というのは比較的少ないのではないかと思っています。手取りはまた所得とは違いますからね。
経済的利益とは?
経済的利益とは、所得税法上に出てくる「経済的な利益」という言葉です。
これは収入として入ってくるものが金銭の形を取っていない、つまり物やデータ上の数字であったとしても"収入"になるということを表したものです。
厳密に所得と経済的利益は異なるのですが、ここではほぼ一緒と考えてしまってよいと思います。
所得を図に表した意図
なぜ今更所得という言葉を取り上げたかというと、実はトークンエコノミーにおいてこの所得という概念に対して税金をかけようとするとある問題が生じることがわかったからです。
この問題に触れる前に所得などの言葉をしっかりと定義しておく必要があるなと感じたので記事にすることにしました。
本当に簡単な記事ではありますが、基礎中の基礎として理解していただければ幸いです。